社内報デザインはトーン&マナーで決まる!

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「社内報が読まれていないかもしれない」
そう思ったことがある運営担当者は多いと思います。
せっかく時間とコストをかけて制作するのであれば、従業員に読んでもらえる社内報を作りたいものです。

読んでもらえない理由はいろいろ考えられますが、その1つに「読みやすいデザイン」になっていないことがあげられます。
社内報を作成する場合、紙でもWebでも、記事を更新しやすいようにデザインやレイアウトのテンプレートやフォーマットをあらかじめ決定することが多いと思います。
用意されたものをなんとなく使って作成していると、つい忘れてしまうのが「読みやすいデザイン」になっているか?という点です。

読みやすいデザインを作るためには、気を付けるべきポイントがいくつかあります。
その中でも重要なのが、デザインに統一感を持たせるなど、トーン&マナーを整えることです。

そこで今回は、社内報のデザインで気をつけるべきポイントやトーン&マナーについてまとめました。

社内報のデザインやレイアウトで気をつけたいこと

社内報のデザインやレイアウトを考えるとき、気をつけておきたいことが2つあります。
・ターゲットに合わせること
・企業イメージ、ブランドイメージを守ること

・ターゲットに合わせること
社内報は全ての従業員に読んでもらいたいものですが、自社で最もターゲットにしたい層を考えることも大切です。
自社のボリュームゾーンは20代が多いのか、30代以上が多いのか。
オフィスで働く従業員が多いのか、店舗や工場などの現場で働く従業員が多いのか。
ターゲットが変われば、フィットするデザインやレイアウトは変わります。
例えば、オフィスで働く従業員であれば、デスクに座って比較的ゆっくり読むことができそうなのでテキストが多くても好まれますが、店舗や工場で働く従業員であれば、隙間時間で読むことが多そうなのでサッと内容がつかめるシンプルなデザインの方が好まれるでしょう。
社内報のターゲットとなる従業員が、どんな情報を必要としていて、何に関心を持っているのか、ペルソナ設定を考えてみることが大切です。

関連記事:ペルソナ設定で見据えるコミュニケーション

・企業イメージ、ブランドイメージを守ること
社内報は、インナーブランディングを担うメディアでもあります。
自社の理念やビジョン、ブランドイメージを浸透、定着させるための重要なツールのひとつだと言えます。
特に社内報を従業員の家族やOBも閲覧できるように運用している場合、目にする社内報は企業やブランドのイメージに直結します。
乱れた文章で書かれた記事や、ブランドイメージとかけ離れたデザインで作られた社内報を公開することで、それを読む従業員の士気を下げてしまうことはもちろん、外部からのイメージも下げてしまうことは言うまでもありません。
社内報は企業内部に向けたインナーブランディングですが、社外向けのホームページやマーケティングツールと同様のクオリティを意識して作ることも大切です。

社内報のレイアウトを考えるときに大事なポイントは2つ!

実際に社内報のデザインやレイアウトを決める時はどうすれば良いのでしょうか。
さまざまなデザインのノウハウがあるので難しいと思いがちですが、次の2つのポイントを知っておくだけで、読みやすいデザインを作成することができます。
 1:視線誘導を意識する
 2:統一感を出す
この2つのポイントは、テンプレートを活用する場合、テンプレートを使わない場合でも活用できるポイントになります。

1:視線誘導を意識する
人は読みものを見るときに、その視線の動き・流れはある一定の動きをする特性があります。
この特性をもとにユーザーの視線の動きを予想し、効果的に情報を伝えられるようコンテンツを配置するレイアウトが知られています。
具体的には、紙とWebで以下の特性があることを覚えておくと良いでしょう。
・紙媒体などヨコ組文字・Z型
 左開きの雑誌や広告でも多く用いられているのがZ型です。
 視線が左上→右上→左下、右下とアルファベットのZを描くように動くことに由来しています。
・Web媒体・F型
 視線はまず左上からはじまり右に進みます。
 その後、また左に戻り少し下に視線を移してから同じく右に進みます。
  左上→右上→少し下に下がって左→右→下、これを繰り返す視線の動きがF型です。


関連記事:【前編】視線を掴むレイアウトで読まれるWeb社内報へ 

2:統一感を出す
人の視線は無意識に同じ形・同じ色を追う性質があります。
1つのページ内で色や線、モチーフなどに同形・同色を繰り返し使うことでリズムが生まれ、全体に統一感を出すことができます。
大見出しや小見出し、写真などの見せ方に共通要素を持たせることで、統一感を出すことを意識しましょう。
この統一感を持たせるためのスタイルやルールのことを「トーン&マナー」と呼んでいます。

    トーン&マナーとは

    前述の「トーン&マナー(トンマナ)」とは、文章やデザインなどの表現における一貫性・統一性を保つためのルールのことです。
    コトバンクなどWeb辞典サイトでは「主に広告やブランド戦略における、デザインやメッセージなどの一貫性、統一感。」と解説されています。
    トンマナを用いて文章やデザインの表現方法に一貫性や統一性を持たせることで、社内外のブランディング活動において企業やブランドの世界観、テイストを表現する役割もあります。

    具体的な方法として、商品やWebサイトなどを作成する際に、企業のブランドを意識したカラーや文字フォントなどを設定して製品やサービスの世界観を統一させたり、ユーザーが理解しやすいように自社製品のデザインを統一、ルール化することなどが挙げられます。

    また、トンマナを意識することは、チーム全員が共通した認識を持てるようになるため、そこから逸脱したデザインを立案することがなくなり、結果としてコスト削減にもつながると言われています。
    社内報の制作でも、トンマナを意識することで運営チームがデザインに迷ったり悩むことが減り、スムーズに運営できるようになるでしょう。

    社内報のトンマナは読まれるための第一歩

    社内報を読んでもらうためには、読者が社内報に対して「読むことで何が得られるのか」「他のツールと何が違うのか」といった読むことのメリットを感じられることも大切です。
    読者が業務の合間に読む限られた時間の中で、メリットを感じ取れるような内容が求められます。
    そして、読むことに対するメリットを、読者に継続的に感じてもらう必要があります。
    そのためには、社内報のトンマナを整えることで、パッと見た時の印象や読みやすさを意識してコントロールし、発信し続けることが大事だと言えます。

    社内報のデザインで意識したいトンマナの基本的なポイント

    意識しておきたいトンマナはたくさんありますが、社内報の制作で意識しておくべき基本的な6つのポイントをリストアップしていきます。
    1:文末や文体の統一
    2:表現や表記の統一
    3:テイストの統一
    4:タイトルや見出しなど文字数の統一
    5:カラーや画像など構成基準の統一
    6:NG表現の統一

    1. 文末や文体の統一
      一般的には「です・ます調」か「だ・である調」が適切だと言われていますが、「です」「ます」調の語尾と「だ」「である」調の語尾が混在していると、世界観がぶれてしまいます。
      読者に違和感が生じるため、社内報ではコラムなど個人的なコーナー企画以外はできるだけ統一するようにしましょう。

    2. 表現や表記の統一
      「私」と「わたし」や「あなた」と「貴方(貴女)」がページ内に混在すると、その代名詞が誰を指しているのか分かりにくくなるので注意が必要です。
      表現や表記を統一する場合、以下の4点に留意しましょう。
      ・単語をひらがな表記にするか漢字表記にするか(例:「働く」→「はたらく」)
      ・使用する記号の種類を決めておく(例:「」→『』→【】など)
      ・英数字の表記は半角か全角か(例:TEST → TEST)
      ・アルファベット表記の商品やサービス名などの表記の統一(例:Google Maps→Google マップ)

    3. テイストの統一
      「みなさん、ぜひ遊びに来てくださいね!」といったフランクな文章と、「訪問お待ち申し上げます」といった硬い文章が混在していると、不自然で読者が違和感を覚えてしまいます。
      社内報でも、硬い内容の記事と箸休め的な記事によって使い分けることは有効ですが、同じ記事の中で両者が混在しないよう注意しましょう。

    4. タイトルや見出しなど文字数の統一
      社内報を制作する場合は、記事のタイトルや大見出し、小見出し、文章全体のそれぞれの文字数をある程度まで設定しておくこともポイントです。
      文字数を決めておくことで、見た目にも統一感が出るだけでなく、掲載する情報の偏りを防ぐことができます。

    5. カラーや画像など構成基準の統一
      社内報では写真や画像を多用しますが、掲載するときのルールを決めておくとデザインに迷うことがなくなり、ページ全体で統一感が出ます。
      例えば「本文の文字サイズは14pt」「タイトルの下には必ず画像を入れる」など、構成の基本的なルールを定めておくと、複数人で制作する時も指示出しやチェックがラクになります。
      また、ブランディング戦略でも有効なのが、カラーの統一です。
      企業ロゴやホームページ、製品のメインカラーなどを社内報にも反映させることで、統一感を出すと同時に、読者に自社のイメージや世界観を印象付けることができます。

    6. NG表現の統一
      差別的な表現や誇張しすぎた表現は、読者にネガティブなイメージを与えてしまいます。
      マイナスイメージは社内外のブランディングが停滞することにもつながるので、NG表現をあらかじめ設定しておきましょう。
      特に読者が自由にコメントなどでリアクションができる機能があるWeb社内報の場合、最低限のルールを周知しておくことで、無用なトラブルを防ぐことができます。

    まとめ

    社内報は紙であれWebであれ、読まれないと意味がありません。
    読まれる社内報にするためには、読者である従業員にとって役に立つ情報を掲載するだけではなく、読むことに対するメリットを感じてもらう必要があります。
    社内報のデザインに大切なことは、情報を読みやすくしたり、興味を惹くおしゃれなレイアウトを考えることだけではありません。
    「社内報には大切な情報が集まっている」ことを表現するデザインが必要で、トーン&マナーを整えることで、自社にあった社内報を作ることができ、読むことにメリットを感じてもらいやすくなるでしょう。

    また、トーン&マナーを意識することは、例えば複数名の社内報委員メンバーがそれぞれ記事を執筆する場合など、チーム全員が共通した認識を持てるようになるため、そこから逸脱したデザインを立案することがなくなり、結果として修正などの無駄な時間削減にもつながると言われています。

    また、社内報のトーン&マナーを決める際に、あまりデザインにこだわりすぎないことも重要です。
    と言うのも、最初にプロが作成するようなハイクオリティすぎるデザインをトーン&マナーに定めてしまうと、以降もずっとそのクオリティを維持しなければならず、運営側の負担が大きくなり行き詰まってしまう原因になるからです。

    社内報のように多くの人が目にするものを作るとき、見映えがよくキレイなものを作ろうと思いがちですが、目的や役割にマッチした内容であれば、必ずしもプロ並みのデザインである必要はありません。
    読みやすさと、社内報の目的を意識したトーン&マナーに整えることで、従業員に読んでもらうことができます。

    今回ご紹介した内容は、紙でもWebでも応用できるデザインのポイントです。
    社内報で意識したいトンマナの基本的なポイントを押さえて、読みやすいレイアウトへブラッシュアップしてみてください。

    プロモーションチーム 村上恵美

    筆者:プロモーションチーム ディレクター 村上恵美

    某音楽配信サイトのプロモーションチームに配属。サイト運営をしながら、主にアーティストのキャッチコピーなどライティング業務にも従事。ECサイトでは毎月100本の商品紹介文を作成し購買率の向上に貢献。2021年 「"はたらき"から、笑顔を」という会社のビジョンを熱く語る上司に魅了されスカイアークへ入社。SOLANOWAのシェア拡大に向け、Web、SNSなどのコンテンツ強化を中心に、プロモーション業務全般のディレクションを担当。

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