社内報は、企業の活動や情報を従業員に伝える重要なツールです。
効果を発揮し、より良い社内報を作成するためには、年間計画が重要です。紙の社内報でもWebやアプリの社内報でも、年間計画を立てることは、従業員へ情報を適切なタイミングで届けるために非常に重要です。
特にWebやアプリの社内報は情報を即座に発信できる速報性が高いため、タイミングよく必要な情報を届けるためには、年間計画を立てて事前に準備することが大切です。
今回は、年間計画を取り入れることで得られる効果と、実際に年間計画を立てる4つのステップについてまとめました。
目次
社内報の年間計画を立てることで得られる8つの効果
社内報の年間計画は、社内報を効果的に運用するために欠かせません。
年間計画を立てることで、以下のような8つの効果を得ることができます。
- スケジュールの安定化と効率的な進行
年間計画を立てることで、社内報の制作進行が予測可能になり、計画的に進めることができます。
各号のテーマやコンテンツを予め決定し、スケジュールを立てることで、制作チームの負担が均等化され、制作の安定性が確保されます。
社内報が定期的に発行できるようになり、読者に安定した情報提供が行われることで信頼性が高まります。 - コミュニケーションの円滑化と効果的な改善
年間計画を基にした社内報の制作では、関係部署間のコミュニケーションが円滑になります。
情報共有やコンテンツの収集・編集プロセスが予め計画的に進められるため、情報の欠落や誤解が減少します。
社内の意思疎通がスムーズになり、情報が滞りなく社内報に反映されることで、情報の伝達効率が向上します。 - コンテンツの質とバランスの向上
年間計画を立てることで、社内報のコンテンツをバランスよく配置できます。
社内報に掲載される情報のレベルが向上し、幅広い内容がカバーされることが期待できます。
例えば、組織のビジョンや価値観の共有、従業員の成果や業績の表彰、社内イベントの告知、社員の声など、多岐にわたる情報をバランス良く提供することが可能です。
従業員の興味を引きつけるコンテンツを提供し、読者の満足度を向上させることにつながります。 - 戦略的な情報共有
年間計画を立てることにより、社内報のコンテンツやテーマを計画的に組み立てることができます。
重要なイベント、プロジェクト、成果報告などの予定を事前に把握しておくことで、それに応じた情報を社内報に掲載できます。
社内の情報共有が効率的に行われ、組織全体の風通しが良くなり、透明性が向上します。 - コミュニケーションと参加の促進
年間計画を通じて、社員が社内報へのコンテンツ提供や意見発信に参加しやすい環境を作ることができます。
特定のテーマやイベントに関する社員からの寄稿を募るなどの取り組みを計画的に行えば、社員の積極的な参加が期待できます。
社内のコミュニケーションが活発化し、社員間の連帯感が強まります。 - 企業文化の醸成
年間計画を通じて、社内報を通じた組織文化の醸成に取り組むことができます。
組織のビジョンや価値観を社内報に反映させ、従業員に共感を呼び起こすコンテンツを展開するための導線を準備することが可能になります。
企業文化が醸成されることにより、社員の働く意欲が高まり、企業に対する誇りや帰属意識が強化されます。 - 読者の期待に応える
年間計画を立てることで、社内報の読者に対して一貫性のある内容を提供することができます。従業員は定期的に社内報を読むことを期待していますが、バラバラな内容や偏りがあると興味を失う可能性があります。
年間計画に基づいた計画的なコンテンツ提供により、読者の期待に応えることが可能になるでしょう。 - 予算を立てたりタスク管理ができる
社内報の予算は、発行頻度、部数、コンテンツ内容などによって異なります。
紙の社内報であれば印刷や配送のコストも発生します。
年間計画を立てることで、予算を立てることができます。
これにより、無駄な出費を抑えることができます。
そして、Webやアプリの社内報の場合でも、社内報の担当者は日々の業務と並行して運営を行うことが多いため、業務とのタスク管理も重要になります。
年間計画を立てておくことで、どの業務にどれだけ工数をかけるべきか、自身のタスクとタイムマネジメントを管理することができるようになります。
社内報の年間計画を立てる4つのステップ
ここからは、実際に社内報の年間計画を立てるために必要なことを、4つのステップでまとめていきます。
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ステップ1:発行の目的を再確認する
まず初めに、社内報の発行目的を再確認しましょう。
発行目的とは、社内報が企業内の課題を解決するために果たすべき役割を指します。
社内報は、情報共有だけでなく、社員のエンゲージメント向上や組織文化の形成にも貢献する重要なツールです。
特にWeb社内報は、発信する情報量や時間の制限がなく、フレキシブルに投稿ができるため、内容に一貫性を持たせるためにも明確な発行目的を定めることが不可欠です。
発行目的を再確認するためには、自社が抱える課題を再度洗い出してみることが大切です。
例えば、部署間やグループの連携とコミュニケーション不足、経営者と現場のギャップ、理念やビジョンの浸透、若手社員の離職などが挙げられます。
発行目的を明確にできていなかった場合でも、年間計画を立てる機会にぜひ発行目的を定めてみてください。
その際には、社内報担当者だけでなく上長や役員にも意見を仰ぎ、現場レベルの目線と経営層からの目線を合わせた全社的な視点で、自社の課題感や社内報の目的を検討することが重要です。
こうしたアプローチにより、社内報が組織にとって本当に有益なものとなり、組織のコミュニケーションと結束力を強化することができるでしょう。 -
ステップ2:年間テーマを策定する
次に、ステップ1で洗い出した自社の課題の解決につながるような社内報の年間テーマを策定します。
例えば、コミュニケーションの促進、エンゲージメントの向上、経営理念やビジョンの浸透などがあげられます。
他にも、トップメッセージやCSRで特に強調されているキーワードを基に考える方法も有効です。
年間テーマは、社内報のコンテンツを統一し、読者にとって関心のある内容を提供するためのガイドラインにもなります。
ただし、年間テーマをあまりに多く設定すると、軸がぶれてしまう可能性があるため注意が必要です。
無理に1つに絞る必要はありませんが、2〜3個程度にとどめておくことで、組織全体の焦点が明確になり、取り組むべき重要な課題に集中できるでしょう。
組織が直面する様々な課題に対応するため、慎重なテーマ設定が重要です。
年間テーマの選定には、リーダーシップや社内のステークホルダーとの密な連携が必要であり、年間計画の成功に向けた重要なステップと言えます。 -
ステップ3:年間テーマに関連した情報を収集し整理する
年間テーマが決定した後は、そのテーマに関連する社内の取り組みについて情報収集を進めます。
関係者とのヒアリングを通じて、誰に・どの部署に、いつ頃ならインタビューや取材などに協力してもらえそうか、記事制作に協力してくれる可能性のある人物や適切な時期を把握し、具体的なイメージを描きます。
もし、ヒアリング先が見つからない場合は、年間テーマに関連する活動を行っている部署やチームを見つけるために、社内でアンケートを実施する方法もあります。
他にも、年間テーマに関連するニュースや書籍、ネットや雑誌で記事が存在しないか調査を行い、簡単なリストを作成しておくと、あとで役に立ちます。
既存の情報を整理し、新たなアイデアのインスピレーションを得ることができます。
こうした情報収集により、社内報のコンテンツがより具体的で多様性に富み、読者にとって魅力的なものとなるでしょう。 -
ステップ4:具体的な企画に落とし込み、スケジュールを組み立てる
ステップ3で収集した情報を基に、具体的な企画を立てます。
社内報の記事の構成や特集の内容、取材や撮影のスケジュールなどを計画的に決定します。
例えば年間テーマに「コミュニケーション促進」を選んだ場合、
・従業員のパーソナリティが知れる自己紹介
・拠点やグループの紹介
・社内交流イベントの開催
・インタビューをシリーズ展開する
・グループディスカッション企画
など、年間テーマに関連する企画案をいくつかまとめて書き出していきます。
そして書き出した企画を年間計画表にあてはめていきます。
スケジュールの立案には、社内報の発行頻度や期間、記事の公開日、制作に関わるスタッフのタスクなどを考慮します。
予算とコストによっては、特別号やイベント号の予定も計画し、社内報がより効果的に機能するようにします。
年間のスケジュールを立てることで、社内報の制作が円滑に進み、情報の発信も適切なタイミングで行えるようになるでしょう。
まとめ
社内報の年間計画を立てることで、より効果的な社内報を制作することができます。
社内報は、企業の経営理念や方針、業績、社員の活動などを従業員に伝えるために重要なツールです。
社内報の年間計画を立てることで、社内報の制作を効率的かつ効果的に進め、企業の成長に貢献することができます。
ここで大切なことですが、年間計画は立てて終わり、ではありません。
社内報が効果を発揮するためには、果たすべき目的のために年間計画の通りに運営できているか、PDCAをまわすことも必要です。
弊社が提供するWeb社内報アプリ『SOLANOWA』を利用している企業の中でも、年間スケジュールを立てている担当者さまは多くいらっしゃるのですが、一年を通じてPDCAを回せておらず、翌年の計画を立てることができなくなるといった課題に陥っている方もいます。
こうした課題を残さないためには、四半期毎など定期的に、立てた年間計画プランに対しての振り返りや、軌道修正などを行うことを忘れないようにしましょう。
企画のマンネリ化を解消したり、変化し続ける事業環境や社内の状況に合わせたり、制作の業務に関する問題や課題を具体化したりするために、社内報は紙版もWeb版も、年間計画を立てると同時に、年に1度は全体的かつ俯瞰的な振り返りを行うことをおすすめします。
まずは年間計画を立てて、社内報の効果を高めていきましょう。