社内報を発行することは、企業にとってさまざまなメリットがあります。
社内の情報共有が容易になり、従業員のモチベーション向上にもつながるからです。
社内のコミュニケーションを円滑にしたり、企業文化を醸成するためにも欠かせません。
しかしながら、発行するためには制作にかかるコストや管理に伴う面倒さも存在し、社内報の必要性に疑問を感じる人もいるでしょう。
また、読者である従業員からも「社内報なんて読まない・いらない」と思われてしまうことに悩む担当者も少なからずいると思います。
なぜ「社内報はいらない」「社内報は本当に必要なのか」と思われてしまうのでしょうか。
今回は、社内報がいらないと言われる理由や、従業員に読まれる社内報を作成するための方法についてまとめました。
目次
●社内報の目的とは?
・社内の情報共有
・従業員のエンゲージメント向上
・コミュニケーションの活性化
●社内報はいらないと言われる3つの理由
1:読者にとってメリットがない
2:内容に興味が持てない
3:わかりやすく書かれていない
●いらないと言われる社内報にしないための方法とは
・目的を明確にする
・媒体や形式を検討する
・通常の業務連絡との違いを出す
・読みたくなる企画を考える
・社内報の宣伝をする
●まとめ
社内報の目的とは?
多くの企業が発行している社内報ですが、企業活動における社内報の目的にはどのようなものがあるのでしょうか。
企業によってさまざまですが、主な社内報の発行目的は、以下の3つが挙げられます。
- 情報の伝達と共有
社内報の主な目的は、全従業員に対して情報を伝達・共有することです。
社内報には、経営方針やビジョン、戦略的な変更、重要なプロジェクトやイベントの進捗状況など、組織にとって重要な情報が掲載されます。
社内報を利用することで、従業員は一度に多くの情報を得ることができます。
従業員が組織の方向性や目標を理解し、モチベーションを高めるためにも役立つと言えるでしょう。
また、社内報は、従業員間での知識や経験の共有を促進するナレッジ共有の役割も果たします。社内報には、部門間のベストプラクティスの紹介や成功事例、技術的な情報、業界トレンドなど、組織全体で共有したい情報が掲載されます。
さらに、社内報は、組織内で発生する様々な情報を一つの媒体にまとめることで、情報の一元化を図ります。
社内報を通じて、従業員は組織全体や他の部門の情報にアクセスすることができ、自社の全体像を把握することができます。 - 従業員のエンゲージメント向上
社内報は、従業員のエンゲージメント向上にも役立ちます。
社内報を通じて、経営層の想いや企業理念、ビジョンなどを知ることで、企業への理解が深まり貢献する意識が高まります。
また、企業の規模に関わらず、普段の業務では自身の部署や同じフロアの従業員としか接点がないことが多いと言われています。
特にリモートワークをしている場合は、共通の労働空間を共有しないため、組織への所属意識を持ちにくくなる傾向があります。
こうした状況を改善するためにも、役に立つのが社内報です。
従業員の視野を「個人」や「周囲の人々」から「会社全体」に広げ、相互理解を深めることが期待できます。
社内報を通じて、自身が関わりの少ない部署の業務内容を知ったり、他の従業員が感じている会社の魅力を共有することで、従業員の連帯感や組織への帰属意識を高めることができます。
また、従業員同士がお互いの業務や関心事について理解を深める場としても機能します。
これにより、従業員はより一体感を持ち、一人ひとりのエンゲーメントが向上し、組織の目標に向かって協力しやすくなるのです。 - コミュニケーションの活性化
社内報は、従業員同士の交流を促すことも発行目的のひとつです。
例えば、社員紹介のトピックでは、趣味や特技など従業員の人となりを紹介することで従業員同士の話題が生まれ、日常的なコミュニケーションを促進することができます。
また、経営層が発信する企業理念やビジョンを社内報で共有することで、従業員は組織の方向性や目標に対する理解を深めることができます。
社内報を介して日常的に関わりの少ない経営陣と従業員のコミュニケーション不足を解消し、両者の関係を強化することができます。
また、従業員からのフィードバックや意見を社内報で掲載することで、上司や役職者との双方向のコミュニケーションが促進され、組織全体の関係が強化されます。
このように、社内報は、上司と部下の縦の関係や、部署・チーム間を超えた横の関係の両者におけるコミュニケーションのきっかけづくりに貢献することができます。
社内報はいらないと言われる3つの理由
なぜ、社内報はいらないと言われてしまうのでしょうか。
従業員に社内報が読まれていない、不要だと感じさせてしまう状況を改善するためには、まずその要因を把握することが重要です。
社内報が読まれない、いらないと言われる代表的な要因を3つ紹介します。
- 読者にとってメリットがない
社内報がいらないと言われる理由として、読者である従業員にとって読むメリットがないと感じられることが挙げられます。
読者にとって関心のない内容や役に立たない情報ばかりであれば、従業員は読むことに対して興味を持たなくなります。
例えば、会社の業績報告やプロジェクトの進捗状況は、従業員が直接関与していない場合は興味を引きにくいかもしれません。
業績やプロジェクトの成果がどんな影響をもたらすのか理解してもらえる内容を考案したり、ぱっと見でも内容が掴めるような見出しをつける、視覚的にもわかりやすい図説を用いるなど、工夫が必要になるでしょう。
社内報を読むことに意味があると感じてもらえるように、読者のニーズや関心に合わせた情報を提供し、彼らが読むことで得られるメリットを明確に伝えることが重要です。 - 内容に興味が持てない
社内報がいらないと言われる2つ目の理由は、読者である従業員にとって内容に興味が持てないと感じられることです。
社内報の内容は、従業員が興味を持ちやすいものである必要があります。
従業員が興味を抱くトピックや業務に関連する情報、従業員の成功や成果を紹介するなど、読者が関心を持ちやすい要素を取り入れることが重要です。
例えば、インタビュー記事、エンターテイメント要素のあるコンテンツ、従業員の声を取り入れた体験談など、多様な視点からアプローチすることが効果的です。
コンテンツや読み物のバラエティを提供することで、従業員の興味を引きつけることができます。 - わかりやすく書かれていない
社内報がいらないと言われる2つ目の理由は、読者である従業員が目を通した時にわかりやすく書かれていないと感じられることです。
何が書かれているのか分からず、ありきたりな写真が掲載されていると、読者は興味を持ちづらいでしょう。
社内報の文章は、わかりやすく簡潔に書かれている必要があります。
専門的な用語や業界特有の言葉を避け、一般的な言葉や具体的な例を用いることで、内容を理解しやすくなります。
また、情報の整理や構成も重要です。
読者が一目で内容のポイントを把握できるように、明確な見出しやキャプションなどを使用して情報を整理しましょう。
視覚的な要素(写真、グラフ、イラスト)を活用することも効果的です。
社内報は、見出しや写真・キャプションを通じて読者の関心を引きつけ、興味を持ってもらうことがポイントです。
これにより、社内報の魅力が伝わり、読者の参加や関与を促すことができます。
いらないと言われる社内報にしないための方法とは
「社内報はいらない」と言われてしまうのは、従業員にとって読む価値がなく、必要とされないからだと言えるでしょう。
では、社内報を必要だと感じてもらうためには、読んでもらえる社内報を作るために、具体的にどんな点に注意すればいいのでしょうか。
「社内報はいらない」と従業員に思わせないためにどのような対策をとるべきか、効果的な手法を5つご紹介します。
- 目的を明確にする
社内報の発行目的を明確にすることが、従業員に必要とされる社内報にするための方法のひとつです。
経営方針や業績の周知、従業員のモチベーション向上、企業文化の醸成、コミュニケーションの活性化など、社内報にはさまざまな目的があります。
明確な目的を持つことで、効果的な内容や形式を検討することができ、コンテンツや取り組みが目標に沿って展開され、社内報が従業員にとって有益なものとなります。
例えば、社内報の目的が「従業員のモチベーションを向上させる」であれば、従業員が興味を持って読むような、共に働くメンバーの人となりがわかる記事や、成功事例などの情報を掲載すると良いでしょう。 - 媒体や形式を検討する
社内報の媒体や形式を、会社の規模や従業員のニーズに合わせて検討することも必要です。
例えば、社内報を採用ツールの1つとして外部にも配布したい場合は、紙媒体の社内報が適しているかもしれません。
会社の規模が大きく、従業員が全国に分散している場合は、Web版の社内報が適しているかもしれません。
また、従来の紙の社内報の場合、情報共有に時間がかかる点や、情報の鮮度を保ちにくく作成から配布までコストがかかるデメリットがあります。
Web版の社内報を使うことで、紙媒体にかかる管理コストや情報漏洩のリスクを解消しつつ、情報を簡単に更新することが可能です。
このように、ツールを使用すれば、社内報の共有から管理までを効率化することができるので、紙媒体で社内報を発行している企業は、移行を検討することもおすすめです。 - 通常の業務連絡との違いを出す
従業員に必要とされる、読まれる価値のある社内報を作るためには「社内報には他では得られない情報が含まれているか」という点が非常に重要です。
通常の業務連絡などですでに共有されている情報を、そのまま載せることには意味がありません。
社内報には、他では得られない情報や社内報ならではの伝え方が必要です。
例えば、社内報のデザインやレイアウトに工夫を凝らす、写真やイラストを効果的に使用する、インタビュー記事やアンケート企画のコンテンツを掲載するなど、従業員の関心や興味を引くようなコンテンツや企画を考え、情報を伝えるだけでなく、楽しみながら読める社内報を目指しましょう。 - 読みたくなるコンテンツを提供する
社内報には、従業員が興味を持つような読みたくなる企画をコンテンツを考えることも重要です。
例えば、経営陣や従業員へのインタビュー、社内イベントのレポート、社内ニュースなど、従業員にとって興味のある内容を掲載するようにしましょう。
また、社内報を作成する際には、効率化のためにテンプレートを使用したり、内容が似通ってしまうことが増える場合もあります。
しかし、マンネリ化した社内報では従業員の関心を引くことが難しくなり、不要なものと見なされる可能性が高くなります。
時折、変化を取り入れたり「この情報を効果的に伝えるための最適な方法は何か」という視点で見直すことも必要です。
読みたくなるような要素を取り入れるためには、雑誌やWebメディアを参考にしながら、企画をブラッシュアップしてみるのもおすすめです。 - 社内報を宣伝する
従業員に読まれるようにするためには、社内報の宣伝も欠かせません。
読者が実際に内容を確認する前に、今回の社内報にどのような情報が含まれているのかを知ってもらうことで、読んでみようという気持ちを引き起こすことができます。
例えば、メールやポスターで周知したり、会議や勉強会で社内報を配布したり、従業員に社内報の存在を知ってもらい、読んでもらうようにしましょう。
特にWeb社内報の場合は「プル型」メディアのため、自分からサイトへ読みに行かなければならず、目を通すための行動が必要です。
プッシュ通知を活用することで、プル型メディアの弱点をカバーすることができるようになるため、Web社内報を選ぶ際はアプリ対応のサービスを選ぶことをおすすめします。
さらに、読みたくなるような企画を用意するだけでなく、宣伝を効果的に行うことも重要です。全員が目にする場所で宣伝することや、キャッチコピーと写真などを工夫することで、興味を引くことができます。
関連記事:定期更新とプッシュ通知で読まれるWeb社内報へ!
まとめ
社内報は、企業の成長や情報の共有に役立つものです。
企業の経営理念やビジョンを浸透させたり、さまざまな情報を伝え、従業員のモチベーションを向上させ、企業文化を醸成し、従業員同士のコミュニケーションを活性化するために発行されます。
しかし、従業員からいらないと思われてしまう社内報は、これらの目的を果たしていないという特徴があります。
読者にとってメリットがない、内容に興味が持てない、わかりやすく書かれていない。
この3つの「ない」が主な要因となり、従業員から「社内報はいらない」と思われてしまいます。
社内報を必要だと感じてもらうためには、目的を明確にし、通常の業務連絡との違いを打ちだし、読みたくなる企画を考えることが必要です。
また、社内報の媒体や形式を検討することも有効です。
例えば、社内報をWeb媒体に変更することで、コストを削減し、より多くの従業員にリーチすることができます。
社内報は、企業の成長に欠かせないツールです。
今回ご紹介した、いらないと言われる社内報にしないためのポイントを改善することで、読まれる社内報を作成し、従業員の団結意識や帰属意識を高めて企業の成長につなげましょう。