さまざまな情報共有を担うツールでもあり、コミュニケーションを活性化させ従業員エンゲージメントを高めるツールとしても活用されている社内報ですが、近年では急速なWeb化が進んでいます。
タイムリーな情報配信に強く、即時性が高いWeb社内報には紙の社内報とは違った多くのメリットがあります。
SNSのようなコメント機能やいいねボタンなどのリアクション機能を筆頭に、読者の反応を掴みやすいのもWeb社内報の特徴の1つです。
読者である従業員を惹きつけWeb社内報を読んでもらうためには、こうした特徴を活かしたコンテンツづくりを行うことが大切です。
今回は従業員が読みたくなるWeb社内報の作り方のコツやポイントを、定番コンテンツ10選と合わせて紹介します。
目次
⚫︎Web社内報とは
⚫︎Web社内報の目的
⚫︎定番のWeb社内報コンテンツ10選
1:社員インタビュー
2:トップ(経営陣)メッセージ
3:事業報告・活動報告
4:従業員へのお知らせ
5:実績紹介や新製品・サービス紹介
6:工場・拠点・店舗紹介
7:ナレッジを共有するお役立ち情報
8:コロナ禍の注意喚起などに関するネタ
9:ランキング企画
10:楽しめる小ネタ系(箸休め)コンテンツ
⚫︎読まれるWeb社内報コンテンツづくりの3つのポイント
1:誰に読んでもらいたいか?ターゲット設定を行う
2:ニーズを把握し従業員一人ひとりに寄り添える内容にする
3:読むことに価値があると感じる、役立つ情報を掲載する
⚫︎まとめ
Web社内報とは?
社内報といえば、長く紙媒体が主流でしたが、コロナ禍を境にリモートワークが普及しWeb社内報を導入する企業が増加中です。
インターネットを経由して従業員だけが閲覧できるWeb社内報や、アプリに対応したWeb社内報であればPCがなくても社用スマートフォンやタブレットなどから読むことができます。
近年では企業のブランディング戦略の1つとして、あえて誰でも読めるWebサイトのようなオープンWeb社内報を運用する企業も増えています。
Web社内報の目的とは
社内報は、企業活動におけるインナーブランディングを促進するツールです。
インナーブランディングとは、自社で働く従業員に経営理念や目指す方向性などを理解・浸透させることを目的としています。
なぜインナーブランディングが必要かというと、従業員一人ひとりの言動が、結果として企業イメージに多大な影響を与えるからです。
インナーブランディングで従業員の意識改革を促すことが、企業理念の実現や企業ブランド価値の実現につながります。
インナーブランディングは社内向けの施策のようなもので、企業理念の理解・浸透と従業員エンゲージメントを向上させることを目的としています。
こうした環境を作るためには、従業員同士のつながり・コミュニケーションはもちろん、経営陣を含む全従業員が理念を共有・協力し合えるように双方向のコミュニケーションが欠かせません。
この双方向コミュニケーションを活性化するために活用できるツールが社内報です。
コロナ禍を境にリモートワークが普及し、コミュニケーション不足とインナーブランディング停滞を払拭するために、いつでもどこでも従業員へ情報発信とコミュニケーションが取れるWeb社内報を導入する企業が増加しています。
定番のWeb社内報コンテンツ10選
Web社内報はインナーブランディング促進を担うと同時に、自社で達成したい目的や課題を解決するためのツールでもあります。
言い換えれば、Web社内報に掲載するコンテンツはこうした目的や課題に沿った内容であることが重要なポイントとなります。
どんなコンテンツを掲載するか迷ったりネタ切れに悩んだ時は、目指したい目標や目的、解決したい課題から考えて企画してみることが近道です。
Web社内報の定番とも言えるコンテンツのテーマ10選を、その目的と合わせて紹介します。
- 社員インタビュー
インタビューネタは定番中の定番ですが、共に働く従業員同士の理解を深めるためには欠かせないコンテンツでもあります。
業務では直接関わることが少ない人のことを知れるのがインタビュー記事の醍醐味です。
新入社員の紹介のほか、経営陣やマネージャーの新人時代の話やキャリア形成ストーリーなどを軸にしたインタビューにすると、仕事に活かせる内容にもなるのでオススメです。
直接話す機会の少ない経営陣の話を聞いたり人となりを知ることで、従業員により会社を身近に感じてもらうことができます。
硬い内容だけに限定せずとも、趣味や休日の過ごし方などリラックスした話題も盛り込んだりして緩急をつけると、インタビューされる側も答えやすく読者に親近感を与えられるでしょう。 - トップ(経営陣)メッセージ
企業(経営)理念の浸透と理解促進には、トップメッセージが効果的です。
特に年度初めや四半期初、大きな戦略方針の変更などを行う際はトップが直接、社員一人ひとりに向けて発信することが重要です。
過去に掲載したものを推敲して発信するのではなく、常に一新した内容で発信するよう心がけましょう。
また最近では、動画メッセージをWeb社内報に取り入れる企業も増加しています。
表情が見えることでより熱量が伝わり、社員の士気を上げる役割につながります。 - 事業報告・活動報告
企業内におけるセクショナリズム(派閥や縄張り意識など)の原因は、他部署の事業や仕事の内容を知らないことにあります。
他部署や拠点の仕事は見えにくいものなので、各事業の取り組みや活動報告をしたり、情報を共有することで相互理解ができるようになります。
会社の規模に関わらずセクションごとに分断されがちな業務内容の全体像を示すことで、従業員は自分がどの役割を担っているのかわかるようになり貢献意欲を高めることにつながります。
こうしたコンテンツは、中途採用含む新入社員や中堅層の従業員からも支持が得られる企画です。
テキストだけではなく、写真やイラストなどビジュアルを活用するとより効果的で、社内で部活動などがある企業はこうした活動報告もネタにしていくとコンテンツの幅が広がります。 - 従業員へのお知らせ・ニュース
Web社内報は従業員全員がアクセスできる前提で運用するものなので、情報の共有と発信に最適です。従業員が会社について知らないことを極力なくすことで心理的安全性を高め「安心して働ける環境づくり」につながります。
公開した後でも修正や改訂など記事の編集がしやすいWeb社内報では、社内規則を掲載したり周知しておきたい情報が集まる場所として有効に活用することができます。
社内規則やルールの周知、拠点や店舗ごとのお知らせ、メディア掲載情報の共有やSNSシェアのお願いなど、会社のことならここを見ればわかる!という場にすると企業内DX化にもつながります。
特に福利厚生をはじめ社内制度について知らない従業員が多いので、社内制度の内容や申請方法をコンテンツにしておくことも有益です。
他にも、社内行事をインフォメーションする場合は、合わせて開催後レポートなどを掲載すると、より楽しんで読んでもらえると思います。 - 実績紹介や新製品・サービス紹介
従業員に自社を知ってもらうことは、インナーブランディングにおいてとても重要です。
実績の紹介やサービス紹介、新製品のリリース情報などは積極的にコンテンツとして発信していきましょう。
自社の製品やサービスが社会に貢献している・役に立っていることを知れば、達成感を分かち合えると同時にモチベーション向上にも繋がります。
新しく始まる製品やサービスの情報を、なぜ始めることにしたのか、ターゲットしているユーザーはどこなのか、など背景から伝えることでより理解が深まります。
時にはこうしたコンテンツから顧客へのアプローチ方のヒントを掴んだり、従業員にとって新たなスキルアップになることも期待できるでしょう。 - 部署・拠点・支店・工場・店舗紹介
遠隔の拠点や事業所などを取材するコンテンツは、コミュニケーションのきっかけづくりと社内の一体感醸成に最適です。
最近では海外拠点を持つグローバル企業も増えており、Web社内報を通じて国を越えたコミュニケーション活性化も重要になっています。
掲載される部署・拠点・支店・工場・店舗で働く従業員のモチベーションアップや貴族意識の向上も期待できます。
そして、その掲載を見た他の従業員がそこから刺激を受け、新たな目標を持てるかもしれません。
Web社内報では目立つ部署が取り上げられがちですが、普段は後方支援でサポート役に徹しているような部署も紹介することで、こうしたさまざまな部署と業務があって企業が成り立っていることを従業員に理解してもらえるきっかけになります。
紹介コンテンツでは写真や動画などビジュアルを多用して、よりリアルな情報を届けるよう心がけると良いでしょう。 - ナレッジを共有するお役立ち情報
Web社内報は読まれることに意味があります。Web社内報を読むことに価値があると感じてもらえれば、読者を惹きつけることができます。
読んで学びがある、ためになる知識やナレッジの共有などをシェアする場所としてもWeb社内報を積極的に活用していきましょう。
自社の関連業界動向やニュースの共有や、スキルアップ研修・セミナー・講演情報やビジネスマナーのまとめなど従業員の教育にもつながるコンテンツだとベターです。
業務の効率化に役立ちそうなハックやおすすめの書籍の紹介は、Web社内報ならリンクを付けられるので、実際に触れながら記事を読んでもらえるしかけ作りもできます。
海外拠点を持ちグローバル展開している企業の場合は、各国の文化の紹介やよく使うフレーズ・挨拶など、コミュニケーションにも役立つ情報もオススメです。 - コロナ禍の注意喚起などに関するネタ
未だ収束が見えない新型コロナウイルス禍において、関連するWeb社内報ネタは用意しておくべきコンテンツの1つです。
知っておくべき知識を産業医から話を聞いてまとめたり、コロナへの対応策やテレワークに関する規定など、社内の規則やルールの周知の場としてもWeb社内報を有効に使っていきましょう。
テレワークが普及している企業であれば、派生ネタとしてテレワークの工夫術や成功例、おすすめの時短料理や息抜き方など、楽しんで読めるような内容の企画も用意してみると飽きずに読んでもらえそうです。 - ランキング企画
Web社内報はアンケート機能を筆頭に読者の反応を掴むための便利な機能を搭載することもできます。こうした機能を活かさない手はありません。
「ネタに困った時のアンケート」とも言える、アンケートを元にしたランキング企画のコンテンツも1つ用意しておくと汎用性が高いです。
「社員の出身地 TOP10」「社食人気メニュー TOP10」「オフィス周辺の人気ランチ TOP10」などはアンケートによる社員参加型要素が強く、関心も高まります。
読者も自分のコメントや投票が反映されている記事をみると、ちゃんと声を拾ってもらえていると感じてより楽しめるでしょう。
「部長が選ぶ本10選」や「世代別人気スイーツベスト5」などパーソナリティも加味すればネタを出しやすく企画には困りません。 - 楽しめる小ネタ系(箸休め)コンテンツ
Web社内報では目的をもとにコンテンツを企画することが大切ですが、全て真面目で堅苦しい内容だと従業員から敬遠されてしまう可能性があります。
インナーブランディングを促進するためには、従業員に自社を好きになってもらわなければなりません。読んでいて楽しいと思えるように、休憩時間に息抜きとして読んでもらえそうなカジュアルに楽しめるコンテンツも用意しておきましょう。
従業員に好きなものを語ってもらったり紹介する推し系ネタは、取材する側もされる側も話が弾みやすいのでオススメです。
インタビューよりざっくばらんにラフなテーマで行う座談会なども、従業員同士の横のつながりを強化できるきっかけになるでしょう。
最近ではWeb社内報でラジオ番組を配信する企業も増えています。こうした音声や動画配信ネタはテレワーク中の気分転換になると人気を集めています。
読まれるWeb社内報コンテンツづくりの3つのポイント
Web社内報のネタ出しは、多くの運営担当者が頭を悩ませるところです。いつでもどこでも読めるWeb社内報だからこそ、読んでもらわないことには意味を成しません。
従業員が読みたくなる、読まれるコンテンツを作るにはどんなことに注意すべきかを3つのポイントでまとめてみました。
1:誰に読んでもらいたいか?ターゲット設定を行う
Web社内報には大きく分けて2つの発信があります。1つは、従業員に広く、そして早く情報を伝えるために発信する場合。
もう1つは、従業員の意識改革やコミュニケーションを活性化したいなど目的を持って発信する場合です。
目的があって発信する場合は、Web社内報を「読むことでどんな気持ちになってもらいたいか」「どの層に読んでもらいたいコンテンツなのか」を設定しておくことが重要です。
この設定を曖昧にしておくとせっかくのコンテンツがどの従業員にも「刺さらない」、読まれないWeb社内報になってしまいかねません。
そして、この設定する内容は企業の目指す姿や目的、課題ごとに異なります。
例えば、Web社内報で「企業理念を浸透させシナジーを高める」ことを目的とした場合は、しっかりとトップメッセージが伝わるようなコンテンツを用意する必要があります。
他にも「従業員に会社の良さを知ってもらいたい」目的がある場合は、他部署や拠点・支店のことを知ることができるコンテンツが欠かせません。
「テレワークで途絶えがちなコミュニケーションを活性化したい」目的がある場合は、SNS感覚でいいねを押せたりコメント機能を活用したコンテンツを用意したり、経営陣の想いに触れるコンテンツを増やすことで親しみを感じてもらい双方コミュニケーション活性化を狙うなど、さまざまな工夫が必要です。
2:ニーズを把握し従業員一人ひとりに寄り添える内容にする
Web社内報を読んでもらうためには、読者が読みたいと思うコンテンツを用意しなくてはいけません。
Web社内報ではアクセス解析などを利用してPV数を把握できるという大きなメリットがあります。過去にどんな記事がよく読まれたのかを把握することで、自社の人気コンテンツの傾向を掴むことにつながるでしょう。
アンケート機能などを活用して従業員に読みたいコンテンツを聞いてみることもニーズを把握するためには有効です。
また、Web社内報では社長や経営陣、成果をあげた従業員や目立つ部署など、会社の中でも存在感のある人を取り上げる傾向が多いですが、それだけが続くと現場の従業員が距離を感じてしまう逆効果に注意です。
従業員の誰もがいつでも読むことができるWeb社内報だからこそ、一人ひとりに寄り添えるよう意識して、日々のさまざま業務の中から視野を広げてコンテンツを探していくと、より自分ごととして捉えられるWeb社内報を作ることができるのではないでしょうか。
3:読むことに価値があると感じる、役立つ情報を掲載する
Web社内報を読みたくなる気持ちを喚起させるには、従業員にとって有益な情報や興味があるコンテンツを掲載することも重要です。
企業が伝えたいことを一方的に伝えるだけでなく、従業員が何を知りたいか、ここでもニーズを掴むことがポイントになります。
読んで役に立つ情報を載せることで、Web社内報を読むことには価値がある、感じてもらえれば読者を惹きつけることができます。
知っているようで知らない自社の福利厚生制度や、知っておくと便利な自社業界の知識やノウハウなどは、従業員にとっても読むことで学びになります。
読んで役に立つナレッジの共有などをシェアする場所としてもWeb社内報を積極的に活用していきましょう。
まとめ
Web社内報は双方向のコミュニケーションが可能なツールで、インナーブランディングの促進にも役立つツールです。
何よりもまずは従業員に読んでもらわなければ、その効果を思うように発揮することができません。Web社内報は紙の社内報と比較して、運営する側にもたくさんのメリットがあります。
例えば、Web社内報はいつでもすぐに記事が更新できます。
紙面のようにレイアウト制限がないので、テンプレートなどを使って自由に更新ができます。
そこでつい長い文章を書いたりボリュームのあるコンテンツを制作してしまいがちです。
休憩時間や移動時間でWeb社内報を読む従業員にとっては、こうした長すぎる記事はかえって負担になってしまいます。
コンテンツによっては、サッと隙間時間に読める工夫をするなどバランスが必要です。そして、いつでも記事を更新できるメリットもありますが、それを周知しなければ従業員に気づいてもらえません。プッシュ型メディアと呼ばれるWeb社内報は、読まれるために周知することがとても重要になります。アプリに対応したWeb社内報であれば、バッチ機能と並行して運用することで従業員に気づいてもらいやすくなります。
Web社内報ならではの機能を取り入れながら、従業員が読みたくなるコンテンツを考えていきましょう。
Solanowaは、アプリにも対応していますので、PCを持たない従業員でもスマートフォンやタブレットからWeb社内報を読むことができます。標準装備としてレイアウトテンプレートやアンケート機能を搭載しているので、誰でもかんたんに記事作成~更新が可能です。いいねボタンやタグ検索機能をはじめ、読者も使いやすいように整えています。
また、Solanowaでは、別途でWeb社内報コンテンツ制作の支援も承っています。これから紙の社内報とWeb社内報を併用していきたい、従業員が増減してもコストをかけずに運用したい、コンテンツの作り方がわからない、などお悩みをお持ちの方は、ぜひお気軽に こちら までお問い合わせくださいませ。