社内報が担う目的の1つは「社内エンゲージメントを高めること」だといいます。
一言で「エンゲージメント」と言いますが、用語として実に様々な使われ方が存在します。
「社内エンゲージメント」
「エンゲージメントの可視化」
「エンゲージメントの低下」
「従業員エンゲージメント」
「社員エンゲージメント」
「顧客エンゲージメント」
ざっと考えても3つ以上は思い浮かぶくらいには、最近よく聞く言葉です。
これだけ多くの用語が存在するということは、エンゲージメントにはとても大切な意味が含まれているからにほかなりません。
社内報と密接な関係にある「社内エンゲージメント」を知るためには、まずは「エンゲージメント」について理解しておくことが重要です。
エンゲージメントとは?
エンゲージメントとは、英語の「engagement」のこと。
約束や協約、従事や婚約と言った意味を持ち、絆や愛着、結びつきなど関係性を表す言葉として使われます。
ズバッとひとことで簡潔にわかりやすく言えば「横の繋がりをイメージする言葉」であるということ。
信頼や愛着から輪が広がるように繋がりが生まれていく、そんなイメージでしょうか。
ちなみに「顧客エンゲージメント」とは、企業と顧客との信頼関係を表す言葉です。
企業の製品やサービスに対する満足度を高めると、顧客の信頼感も高まるという意味で用いられます。
顧客満足度という言葉に近いものがありますね。
顧客エンゲージメントが高まると企業の製品やサービスのファンが増える、輪のように広がるイメージを浮かべることができますよね。
一方が高まれば、もう一方も高まる。
では、社内報と密接な関係がある「社員(従業員)エンゲージメント」や「社内エンゲージメント」とはどんな意味なのでしょうか?
実はこの二つの言葉は、厳密な意味としては異なるものの、結果として相乗効果を語ることができる言葉でもあるのです。それはこの二語の意味を改めて捉えてみるとわかります。
まず「社員(従業員)エンゲージメント」ですが、その言葉通り従業員と企業の信頼関係を示す言葉です。
その信頼関係とは、多くの場合において従業員が自らが働く企業のことを信頼しているか?という意味で用いられていることに注目です。
従業員にとって企業が目指す目標やビジョンなど理念に共感を持つことができると、企業を信頼し貢献したい意欲が高まると言われています。
そして「社内エンゲージメント」とは、社員と企業がお互いに信頼関係を築き愛着を持っている状態のことを指します。
この信頼関係を生むのが、前述の「社員(従業員)エンゲージメント」でもあるのです。
企業がそこで働く従業員を想い、理念に共感を持って働ける環境を作ることが「社員(従業員)エンゲージメント」を向上することに繋がるのです。
「社員(従業員)エンゲージメント」が高まるということは、「社内エンゲージメント」が高まること。企業とそこで働く従業員の双方にとってベストな状態であると言えるでしょう。
ちなみにこの2つのエンゲージメントが高い企業は、押し並べて"離職率が低い"と言います。
先ほど述べたように「エンゲージメントが高い=従業員が企業に信頼や愛着を持っている」という状態なので、進んで退職したいと思う人が少ないのは頷けます。
従業員エンゲージメントの「明確な」測定方法は存在しない話
企業にとっても働く人にとっても大事なエンゲージメントの意味とその考え方ですが、さっそく測定してみようと思っても......測定ツールがすぐには見つけられません。
実はエンゲージメント・サーベイには、万国で普及する測定方法や適正検査のように共通する診断方法やテスト方法など明確な基準が存在していないのです。
それはエンゲージメントという言葉が示す意味は同じでも、その内容は企業によって千差万別であるからだと言えます。
しかしながら、社員・社内エンゲージメントを考えるうえで欠かせない要素を組み合わせることで、一定の測定が可能であると考えられています。
企業内におけるエンゲージメントの状態(従業員の共感度など)と、影響を与える要因の状態(労働環境や人間関係・給与やマネジメントなど)を掛け合わせる方法が広く用いられています。
この考えを基にしたもっとも簡単な測定方法としては、社内アンケートを実施することです。
他にも、企業向けに開発されたサーベイ測定ツールなどを利用してエンゲージメントスコアを把握することができます。社内の状態を客観的に把握できれば、課題や問題点を掴みやすくなります。
まとめ
改めてエンゲージメントの意味を考えてみると、企業には社内報がなぜ必要なのか・効果的だと言われるのか自ずと見えてきませんか?
企業が目指す理念を伝えたいとき、社員同士のコミュニケーションを活発にして帰属意識を高めたいとき、社内報がその役目を果たすからです。
部署やグループ企業など拠点を超えて、時には従業員とその家族のもとへも届けることができるツールが社内報なのです。
一度は消えたとまで言われた社内報が再び求められていることは、働くひとにとっては実に幸せなことなのかもしれません。