なぜエンゲージメントが企業にとって重要なのか?

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昨今、エンゲージメントという言葉が企業経営者や人事担当者の間で頻繁に使われるようになりました。
エンゲージメントが高い組織は、高い業績を上げ、優秀な人材を引きつけ、維持する能力を持っているとされています。
しかし、「エンゲージメント」が具体的に何を指し、それが企業にとってなぜ重要なのかを理解している人はまだまだ少ないのが現状です。

この記事では、その疑問を解決し、人事責任者や人事担当者の方が企業のエンゲージメントの重要性を理解し、その向上に向けた戦略を立てられるようにすることを目指します。

エンゲージメントとは?

エンゲージメントとは、組織に対する従業員の情熱やコミットメントの度合いを指します。
それは従業員が会社のビジョンや目標に対して情熱的に関与し、自らの役割を全うする意欲を持つとき、その組織は高いエンゲージメントを持つと言えます。
また、エンゲージメントは従業員が組織の一部であり、その成功に貢献したいと感じるときにも生まれます。
それは、自己の仕事への満足感や、自己の能力を十分に発揮する機会があると感じるときにも増大します。

エンゲージメントが高い企業の特徴

欧米企業でエンゲージメントが重要視されてきた背景
従業員エンゲージメントが注目され始めたのは欧米と言われています。
欧米企業でエンゲージメントが重要視されるようになった背景は、20世紀後半から21世紀初頭にかけての社会経済の大きな変化によるものです。
具体的には、知識労働者の増加とグローバル化の進行、そして競争環境の激化が挙げられます。

1970年代から1980年代にかけて、産業構造の変化に伴い、物理的な労働から知識労働へのシフトが起こりました。
これにより、生産性は従業員のモチベーションやエンゲージメント、創造性に大きく依存するようになりました。

また、1990年代から2000年代にかけてのグローバル化の進展は、企業間の競争をより激しくしました。
企業の生存競争を勝ち抜くためには、優秀な人材を引きつけ、保持することが重要となり、従業員の満足度とエンゲージメントが注目されるようになりました。

このような理由から、エンゲージメントは組織の成功にとって重要な要素となり、多くの欧米企業では積極的に従業員満足度調査を実施し、従業員のエンゲージメントを高めるための取り組みを行っています。

日本で注目されるようになった背景
日本でも欧米と同様にエンゲージメントの重要性が認識されるようになった背景は、高度経済成長期からバブル崩壊、21世紀の社会変化、そして生産労働人口の減少に大きく関係していると言われています。

1980年代のバブル経済期までは、生涯雇用と年功序列が主流であり、従業員のロイヤルティは企業への所属と安定した雇用によって確保されていました。
しかし、1990年代にバブル崩壊を迎え、企業のリストラや経済の長期停滞が起こると、これらの従来の雇用システムは崩れ、従業員のエンゲージメントや満足度が重要な課題となりました。

さらに21世紀に入ると、情報技術の進化とともに働き方や組織の形態が多様化し、従業員一人ひとりの能力や創造性、モチベーションが企業の競争力を左右するようになりました。
また、高齢化社会の進行に伴う生産労働人口の減少は、企業が持続可能な成長を遂げるためには、限られた人材をいかに活用し、そのパフォーマンスを最大限に引き出すかが重要な課題となりました。

このような変化に対応するためには、従業員のエンゲージメントの高さが求められ、今日では、日本国内の企業でも多くが従業員満足度調査を実施し、その結果をもとに組織改革や人材育成、ワークライフバランスの改善などの施策を進めている企業が増えています。

エンゲージメントが高い企業の特徴

エンゲージメントの高い企業は、従業員の満足度やモチベーション、生産性が高く、その結果として組織全体のパフォーマンスが向上する傾向にあります。以下にその主な特徴と具体例を述べます。


オープンなコミュニケーション
エンゲージメントの高い企業では、上下関係に縛られることがなく、オープンにコミュニケーションが取れます。

<具体例>

  • Google
    毎週金曜に経営陣と従業員が集まり、会社の最新情報が共有される「TGIFミーティング」が開催されます。
    この会議では、直接経営陣に質問することが可能で、コミュニケーションの壁を取り払っています。
  • Pasonaグループ
    日本の企業では、Pasonaグループがオープンなコミュニケーションを推奨しており、定期的に社長自ら全社員と面談を実施し、直接意見や提案を聞いています。
  • Panasonic(パナソニック)
    社員間で自由に意見交換できる社内SNSを導入し、様々な階層や部署の社員が意見を共有する場を作っています。

成長機会の提供
従業員がスキルを磨き、キャリアを進めるための機会が豊富にあることも特徴です。

<具体例>

  • Salesforce
    自社製品の使い方や最新の技術トレンドなどを学ぶことができる無料のオンライン学習プラットフォーム「Trailhead」を提供しています。
    このプログラムを通じて、社員は新たなスキルを獲得し、キャリアアップを図ることが可能です。

  • 三菱UFJフィナンシャル・グループ
    キャリア開発支援に力を入れており、社員一人ひとりが自分自身のキャリアを自己管理し、自発的に成長することを奨励しています。

明確なビジョンと目標
エンゲージメントの高い企業は、従業員が共感し、目指すべき方向性を示す明確なビジョンと目標を設定します。

<具体例>

  • ファーストリテイリング
    ユニクロを展開するファーストリテイリングは、その企業理念である「Changing clothes. Changing conventional wisdom. Change the world.」を掲げ、従業員に対し明確なビジョンを示しています。


フレキシブルな働き方
ワークライフバランスを尊重し、柔軟な働き方を可能にする環境もエンゲージメントの高さに寄与します。
日本の企業では、リクルートホールディングスが自由な働き方を推奨し、ワークライフバランスを重視した組織文化を築いています。
以上のように、エンゲージメントの高い企業では、従業員が仕事に情熱を持ち、自身の成長と組織の目標達成に向けて積極的に取り組む環境が整っています。

エンゲージメントを高める効果

エンゲージメントが高い企業は、生産性や売上、顧客満足度の向上、従業員の離職率の低下といったメリットを享受します。
これらの企業では、従業員が自己の役割に熱心であり、組織の成功に対する自己の貢献を認識しているため、そのパフォーマンスは向上します。
また、エンゲージメントが高いと、従業員の組織に対するロイヤリティも高まり、離職率の低下につながります。

エンゲージメントの測定

エンゲージメントの測定は、定期的な従業員満足度調査やパルス調査(頻繁に行う短いアンケート)などを通じて行われます。
また、従業員の活動や行動を観察し、それをフィードバックとして活用することも効果的です。

エンゲージメントを高めるための戦略

エンゲージメントを高めるための戦略は、開放的なコミュニケーションの実施、従業員の成長のサポート、公正な評価システムの構築、そして従業員の声を取り入れる意思決定などがあります。
これらの戦略は組織の各レベルで実施され、組織全体のエンゲージメントの向上に寄与します。

エンゲージメント向上の事例紹介

エンゲージメント向上に成功した企業の事例をいくつかご紹介します。

  • Google
    Googleは従業員のエンゲージメント向上のために、多くのユニークな取り組みを実施しています。
    その一つが、「20%ルール」です。これは、従業員が自分の本業以外のプロジェクトに20%の時間を投資することを奨励するルールです。
    この自由度の高い働き方は、従業員の創造性とエンゲージメントを高めています。

  • Southwest Airlines
    Southwest Airlinesは、社員の幸せを最優先に考える企業文化で知られています。
    組織全体で認識されている楽しい働き方や、スタッフの才能や成果を称える定期的なイベントの開催などにより、高いエンゲージメントを実現しています。

  • Salesforce
    Salesforceは、チームの協力とコラボレーションを奨励するためのさまざまなプログラムを導入しています。
    それらの一つに「V2MOM」があります。
    これは「Vision(ビジョン)」、「Values(価値観)」、「Methods(方法)」、「Obstacles(障害)」、「Measures(指標)」を定義し、それぞれの従業員が企業のビジョンに向かってどのように進めばいいかを明確にするフレームワークです。
    これにより、全社員が組織の目標に取り組むことでエンゲージメントが高まっています。

  • Microsoft
    Microsoftは、組織内の多様性と包括性を高めることによりエンゲージメントを向上させています。
    その一例として、従業員の誕生日や周年記念日、重要な文化的な祝日など、従業員の大切な日を全社で祝うイベントを開催しています。
    これらの取り組みにより、従業員は自身が尊重され、価値を見いだされていると感じ、エンゲージメントが深まるとされています。

  • Zappos
    Zapposは、ユニークな企業文化と高いエンゲージメントで知られています。
    同社は「Zapposファミリーコアバリュー」という10の価値観を持ち、これを全社員が共有することで強いつながりとエンゲージメントを生み出しています。
    さらに、同社は定期的な社員満足度調査を行い、従業員の声を製品やサービスの改善に活用しています。

まとめ

エンゲージメントは、企業が持続的な成功を達成するための鍵となる要素です。
エンゲージメントが高い組織は、高い生産性、低い離職率、高い顧客満足度といった多くの利点を享受します。
それゆえ、人事責任者にとっては、エンゲージメントを理解し、その向上に努めることが重要な任務となります。
本記事をお役に立ていただけると幸いです。

プロモーションチーム 町田あや

筆者:
プロモーションチーム 町田あや

新卒でHR業界へ入社し、キャリアアドバイザーとして企業と働きたい人たちの橋渡しに奔走。人材不足に悩む企業の採用ブランディングから、人材育成プログラムの構築や新人研修サポートまでさまざまな業務に従事。自分自身の可能性を広げるためTech系企業への転職活動をしていたところ、「社員が会社のファンになる」というSOLANOWAのコンセプトに共感してスカイアークへ入社。これまでHR業界に携わってきた経験を活かしたコンテンツ制作などプロモーション業務を担当中。

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