コラム

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その調査は脈あり?パルスサーベイで課題を把握する

「元気があればなんでもできる」と、かの有名な格闘家は言いました。

確かに、元気があれば仕事ができるし、休日には好きなことに没頭して毎日を楽しむことができると思います。その元気を出すとき、人にはモチベーションとなるものが必要になりますよね。これがあるから仕事を頑張ろう!と思えるモチベーションはあらゆる行動の活力の源のようなもの。

「では、仕事に関してモチベーションはありますか?」

モチベーションがあります!と即答できる方も、できない方も、きっと同じ会社の中には混在しているはずです。社員がモチベーション高く仕事に取り組むことができる会社は、結果として離職率は低く・業績は高くなると言われています。「エンプロイーエンゲージメントが高い」と言われる状態は、いわば企業が目指す理想のようなもの。

社員がモチベーションを持ち士気高く働ける場を作ることも、大事な企業活動のひとつです。社員は顧客ではありませんが、エンプロイーエンゲージメントを高めることを考えるうえでは同等だと言えます。社員が会社に対してどんな想いを持ち、どんな目標を持って働いているのか。社員がどんなことに悩みや問題を抱えているのか、社員が所属する組織や部署が円滑に業務を進められる環境なのか。社員の現状を把握することができれば、そこにモチベーションが存在しているのか否かも自ずと見えてくるのではないでしょうか。

では、どのようにして社員の現状を把握すればいいのでしょうか?
その疑問を解消する答えとして、企業で注目が高まっているのが「パルスサーベイ」を導入する方法です。

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パルスサーベイとは?

社員の状況を把握するために、ES調査=Employee Satisfaction(従業員満足度)アンケートなどを実施する企業も多いと思います。ES調査もひとつの方法として確立されていますが、実施する頻度によっては効果的に把握することが難しい部分もありました。

パルスサーベイは、パルス=脈拍に例えて「脈拍をチェックするように頻繁に」企業と従業員の関係性や健全性を測る意識調査のことです。パルス調査ともいい、1分程度で簡単に回答でき、設問数の少ない5~15問程度のアンケートを用いて行います。一般的なES調査と比較するとその頻度に特徴があり、短期間で繰り返して実施することで効果を測ります。

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パルスサーベイのメリットと注意点

パルスサーベイは、簡易的な調査を繰り返して行うという特徴から2つのメリットが上げられます。

1つめは調査結果をリアルタイムに把握できる点です。週に1回、月1回など短いサイクルで定期的に調査を行うので結果をすぐに把握できます。また、従業員の状況や感情は日々変わるものなので短期間で繰り返し行うことでその変化を見つけやすくなります。現時点で起きている問題や状況をリアルタイムで把握することができます。

2つめは、設問数が少ない簡易的な調査なので調査の実施から集計、分析までを短期間に完結できる点です。従業員は答えやすく、実施する企業は集計や分析がしやすいという双方にとってのメリットがあります。また、簡易的であるため実施に際しても一回あたりのコストを抑えることができます。

一方で、簡易的で繰り返し実施するパルスサーベイの調査方法がデメリットにならないよう注意が必要です。設問数が少なく簡単に答えられる反面、何度も似たような質問に答えることに回答者がマンネリを感じ、惰性で回答されてしまう点が懸念されます。正しくそして率直に回答してもらう為には、サーベイの目的や結果をきちんと社内でフィードバックすることが必要です。サーベイを実施することで企業がどのような対応をするのか、どのように変えていくのかを伝え、回答することに意義とメリットがあることを理解してもらうことが大切です。

そして一回あたりのコストが抑えられる反面、パルスサーベイは繰り返し実施することが前提であるため、その回数と期間が増えれば運用コストがかかります。パルスサーベイは多ければ多いほど良い、ということが必ずしも正解ではありません。目的に合わせて実施する回数を含めた運用コストを検討していきましょう。

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    パルスサーベイの活用シーンと効果的な運用方法

    パルスサーベイで用意する質問はどのように設定すればいいか?という点も悩むところではあります。多くの企業で用いられているものが「eNPS(SM) イーエヌピーエス」を指標とする方法です。

    eNPS(SM)とは大手コンサルティング会社のベイン・アンド・カンパニーで開発された顧客ロイヤルティの指標「NPS」を従業員向けに応用したものです。
    かの有名なAppleが従業員のロイヤルティマネジメントに活用したことで注目を集め普及したそうです。「自分が勤めている会社で働くことを親しい人に勧めたいかどうか」を尋ね、職場の推奨度を数値化します。eNPSが高い社員は「自社に愛着を持っている」と判断することで、社員の自社に対する貢献度や愛着を知ることができます。パルスサーベイで質問項目を作成する際に参考にしてみるのも良いのではないでしょうか。

    パルスサーベイの活用方法として、社員の(簡易的な)ストレスチェックやメンタルチェックを行うことでモチベーションの推移をはかることができます。他にも多く用いられる場面としては、新規採用した社員へのオンボーディング(受け入れ~定着・戦力化)の施策として実施したり、新しい制度(人事制度や福利厚生など)を導入する際の効果測定でも有効とされています。人事異動や組織改変などで部内のチーム構成に変化が起きた場合にも、パルスサーベイの実施から新しいチームが有効に機能しているか否かを判断する手助けになるでしょう。

    自社で働く社員の全員に仕事に対するモチベーションを用意することは、きっと不可能であると思います。だからこそ、不満や問題点を放置しておけば社員の士気は下がり続け、モチベーションを保つどころか持つことすらできない悪循環に陥ることでしょう。課題解決のために企業がまずは社員のことを理解したい、関心を寄せていることを伝えていくことが大事です。

    「好きの反対は無関心」とも言います。会社が社員に無関心であると感じさせてしまえば、社員が会社に愛着を持つこともなくなります。エンプロイーエンゲージメントそのものが存在しない会社に社員は定着せず、事業も安定は望めません。社員の現状を把握するために行うパルスサーベイは、モチベーションを生み出すための一つの手段です。

    「では、仕事に関してモチベーションはありますか?」
    この答えが限りになく100%に近づけるよう、会社が出来ることを考え実施することが大切です。エンプロイーエンゲージメントは1日にしてならず。まずはパルスサーベイで現状把握から始めてみるといいかもしれません。