社内報は、従業員への情報共有や理念浸透、従業員同士の交流促進など、さまざまな目的で活用されています。
社内報の制作には、編集会議が欠かせません。
しかし、編集会議が活性化せず、効果的な社内報を制作できないというケースも少なくありません。
そこで今回は、初めて社内報の担当になった方に向けて、社内報の編集会議を活性化する方法についてまとめました。
目次
●社内報制作におけるディレクションのポイントとは?
・伝えたいメッセージの明確化
・完成イメージの明確化
・各工程の締め切りの設定
●編集会議が活性化しない6つの原因
1:意見を得るために必要な情報が十分に伝わっていない
2:参加者同士の人間関係が築けていない
3:より良い意見のきっかけを提供できていない
4:会議の進行が一方通行になっている
5:会議の目的や意義が共有されていない
6:参加者のモチベーションが低い
●編集会議で話し合うべきポイント
・発行目的を再確認する
・特集の話し合いに時間をかける
・特集のテーマは、事業責任者へヒアリングする
・連載モノは時間をかけない
・従業員目線を意識する
・社内イベントや従業員の関心事にも目を向ける
・確認事項は明確に
・完成イメージを共有する
●編集会議の進め方の王道4パターンとは?
パターン1:ブリーフィングで進行管理
パターン2:企画会議でアイデア出し
パターン3:レビュー形式で改善点発見
パターン4:連絡会で情報共有
●編集会議を活性化する7つの方法
1:事前共有で準備を整える
2:ファシリテーターの役割を果たす
3:会議の冒頭から盛り上げる
4:意見やアイデアを深掘りする
5:時間配分を意識する
6:会議後に認識を揃える
7:決まったことを実行する
●まとめ
社内報制作におけるディレクションのポイントとは?
社内報を発行するためには、編集会議やディレクションが欠かせません。
社内報における制作ディレクションとは、社内報の企画・制作・発行を総合的に管理する仕事です。
具体的には、次のようなポイントがあげられます。
・伝えたいメッセージの明確化
社内報の目的は、従業員に何かを伝えることです。
そのため、まず伝えたいメッセージが明確になっている必要があります。
メッセージは、社内報の企画や構成、記事の内容に反映されます。
・完成イメージの明確化
社内報は、紙でもwebでも従業員の目に触れる機会が多いため、印象的なデザインやレイアウトが重要です。
また、読みやすい文章やわかりやすい写真・イラストなども求められます。
完成イメージを明確にすることで、制作の方向性が定まりやすくなります。
・各工程の締め切りの設定
社内報の制作は、企画・構成・原稿作成・デザイン・校正・印刷・配布など、さまざまな工程があります。
各工程の締め切りを設定することで、制作スケジュールが遅延することを防ぐことができます。
編集会議が活性化しない6つの原因
社内報の編集会議が活性化しない原因はどこにあるのでしょうか。
こうした課題が未解決であると、会議が活性化せず、新しいアイディアや創造的なディスカッションが生まれにくくなります。
その中でも特に顕著な6つの原因についてまとめていきます。
1:意見を得るために必要な情報が十分に伝わっていない
編集会議で活発な意見交換を行うためには、参加者が十分な情報を共有しておくことが重要です。
しかし、アジェンダが共有されていない、必要な情報や資料が不足している、といったケースでは、意見を述べづらく、会議が活性化しにくい傾向にあります。
2:参加者同士の人間関係が築けていない
編集会議は、運営スタイルにもよりますが、多くの場合において社内報の制作に携わるさまざまな部署の従業員が集まる場でもあります。
そのため、参加者同士の人間関係が築けていないと、意見を言いづらく、会議が活性化しにくい傾向にあります。
3:より良い意見のきっかけを提供できていない
編集会議では、参加者の意見を活かして、より良い社内報を制作することが重要です。
そのため、会議の冒頭で、発行目的やターゲット層、特集内容などの基本的な情報を確認した上で、参加者から意見を引き出すためのきっかけを提供する必要があります。
4:会議の進行が一方通行になっている
編集会議では、参加者全員が活発に意見を交わすことが重要です。
そのため、会議の進行は、参加者全員が発言しやすいように、一方通行にならないように配慮する必要があります。
5:会議の目的や意義が共有されていない
編集会議の目的や意義が共有されていないと、参加者のモチベーションが低下し、会議が活性化しにくい傾向にあります。
そのため、会議の冒頭で、会議の目的や意義を明確に伝え、参加者の意識を高める必要があります。
6:参加者のモチベーションが低い
編集会議に参加し、意見を出すことに意味を見いだせないと、参加者のモチベーションは低下してしまいます。
編集会議の成果が社内報に反映され、社員に読んでもらえることを意識することで、参加者のモチベーションを高めることができます。
編集会議で話し合うべきポイント
社内報の編集会議は、社内報の企画や内容を決定するための重要な会議で、この場で決まった内容が、そのまま社内報に反映されます。
そのため、編集会議はしっかりと準備を行い、効果的に進めることが大切です。
ここでは、社内報の編集会議で話し合うべきポイントをまとめました。
・発行目的を再確認する
社内報の発行目的は、社員の理解やモチベーション向上、社内コミュニケーションの活性化など、さまざまです。
編集会議では、まず発行目的を再確認し、その目的を達成するためにどのような内容を掲載すべきかを検討します。
・特集の話し合いに時間をかける
特集は、社内報の「顔」となる重要なコンテンツです。
そのため、特集のテーマや構成、取材内容などについて、十分な時間をかけて話し合いましょう。
・特定の業務にフォーカスしたテーマは責任者へヒアリングする
特集のテーマは、社内外の最新のトレンドや、社員の関心事などを踏まえて決めるとよいでしょう。
また、特集をより深く掘り下げるために、責任者へのヒアリングも有効です。
・連載モノは時間をかけない
連載モノは、毎号掲載するものが多いため、内容を細かく確認する必要はありません。
ただし、内容に変更や追加がある場合は、必ず確認しましょう。
・従業員目線を意識する
社内報は、従業員が読むものです。
そのため、従業員目線で、読みやすく、興味を持ってもらえるような誌面づくりを心がけましょう。
・社内イベントや従業員の関心事に目を向ける
社内報には、会社のイベントや従業員の取り組みなどを掲載することで、従業員の交流やコミュニケーションを促す効果があります。
そのため、社内イベントや社員の関心事に目を向けて、掲載内容を検討しましょう。
・確認事項は明確に
編集会議では、さまざまな確認事項が挙がります。
確認事項は、いつまでに、誰が、何をするか明確にしましょう。
・完成イメージを共有する
編集会議で話し合った内容を、メンバー間で共有しましょう。
共有することで、完成イメージが統一され、より効果的な社内報づくりにつながります。
社内報編集会議の進め方の王道4パターンとは?
編集会議はいろいろな形があり、全員が参加するものもあれば、各担当者が編集長と個別にミーティングを行うものもあります。
どんな形でも、大切なのは「この会議で何を話し合いたいのか?」という目的をはっきりさせることです。
進捗確認、情報共有、特集アイデアなど、最初にやりたいことをしっかり確認しましょう。
ここでは、社内報編集会議の進め方について、王道のパターンを紹介します。
パターン1:ブリーフィング型
このスタイルの編集会議では、編集担当者が事前に会議の目的やゴールを明確にし、参加者に共有します。
また、会議の進行役を決め、進行を管理します。
会議の流れとしては、以下のとおりです。
・編集担当者が会議の目的やゴールを共有する
・参加者が議題について意見を出し合う
・編集担当者が意見をまとめ、決定事項を発表する
このスタイルのメリットは、会議の目的やゴールが明確であるため、議論が脱線しにくく、効率的に進行できることです。
また、進行役を決めることで、会議がスムーズに進みます。
一方、デメリットとしては、参加者の意見が十分に反映されない可能性があることです。
そのため、編集担当者が参加者の意見を十分に引き出す工夫が必要です。
パターン2:企画会議型
このスタイルの編集会議では、主にアイデア出しを目的としています。
そのため、参加者に自由に発想できるような雰囲気作りが大切です。
会議の流れとしては、以下のとおりです。
・編集担当者がテーマや課題を発表する
・参加者が自由にアイデアを出す
・編集担当者がアイデアをまとめ、決定事項を発表する
このスタイルのメリットは、新しいアイデアが生まれやすいことです。
また、参加者のモチベーションを高めることができるというメリットもあります。
一方、デメリットとしては、議論がまとまりにくい可能性があることです。
そのため、編集担当者が議論をまとめる役割を担うことが大切です。
パターン3:レビュー型
このスタイルの編集会議では、主に社内報の改善点を検討することを目的としています。
そのため、参加者には事前に社内報を読んでもらい、意見を準備してもらいます。
会議の流れとしては、以下のとおりです。
・編集担当者が社内報の概要を説明する
・参加者が社内報の改善点について意見を発表する
・編集担当者が意見をまとめ、改善点を検討する
このスタイルのメリットは、社内報の改善点を客観的に検討できることです。
また、参加者の意見を反映することで、より効果的な社内報にすることができるというメリットもあります。
一方、デメリットとしては、議論が批判的になりやすいことです。
そのため、編集担当者が議論を建設的な方向に導くように努めることが大切です。
パターン4:連絡会型
このスタイルの編集会議では、主に情報共有を目的としています。
そのため、参加者には事前に資料を配布し、事前準備を促します。
会議の流れとしては、以下のとおりです。
・編集担当者が前号の社内報の反響や、今後の社内報の方向性などを報告する
・参加者が社内報に関する情報や意見を共有する
このスタイルのメリットは、情報共有を効率的に行うことができることです。
また、参加者が自由に意見を共有できるため、新しいアイデアが生まれやすいというメリットもあります。
一方、デメリットとしては、議論が深まらない可能性があることです。
そのため、編集担当者が議論を促すようなコメントを入れるなどの工夫が必要です。
ここまで編集会議の王道パターンをご紹介しましたが、会議を活性化させるためには、パターン1〜4のどれかのみを進めるのではなく、あくまでゴールに向けた工程と考えていただくことがポイントになります。
編集会議を活性化するためには、特定のパターンだけを繰り返すのではなく、ここで紹介したパターンの全てを取り入れてみることをおすすめします。
特に、最後にご紹介した「パターン4:連絡会型」は、パターン1〜3の会議を円滑に進めるためにも必要な過程とも言えるため、併用すること効果的です。
編集会議を活性化する7つの方法
社内報の編集会議を活性化させるためには、以下の7つのポイントを押さえましょう。
1:事前共有で準備を整える
会議の目的と議題が明確になっていないと、参加者は何のために会議に参加しているのか、何を話し合うのかが分からず、積極的に発言することが難しくなります。
そのため、会議の目的と議題を事前に共有し、参加者に理解しておいてもらうことが大切です。
参加者が会議に備えることができ、活発な議論が期待できます。
2:ファシリテーターの役割を果たす
複数の部署から関係者が集まって編集会議を行う場合は、中心となる社内報担当者は、参加者の意見を引き出し、会議を活性化させるファシリテーターとしての役割を果たしましょう。
自らの意見を主張するのではなく、参加者の意見を尊重し、議論を促進することが大切です。
3:会議の冒頭から盛り上げる
会議の冒頭の雰囲気は、その後の会議の進行に大きく影響します。
参加者の気持ちを前向きにさせることが大切です。
前向きな議題や、ややアップテンポぎみに進められる議題を設定したり、そのための準備をしておきましょう。
4:意見やアイデアを深掘りする
発言された意見やアイデアは、そのまま記録するだけでなく、賛同意見や疑問を投げかけることで、より具体的で深みのあるものにしていきます。
また、抽象的な意見やアイデアは、参加者同士の会話で深掘りしていくことで、より有意義なものへと仕上げていきます。
5:時間配分を意識する
意見やアイデアが延々と続く会議は生産的ではありません。
場を盛り上げて、たくさんの方の発言を促したり、意見を盛り立てたりしながらも、しっかりとタイムキーピングを意識しましょう。
ほど良いタイミングで意見やアイデアの集約や方向づけを行い、議論をまとめます。
6:会議後に認識を合わせる
会議の最後には、会議の目的や議題に対する参加者の認識をしっかりと揃えましょう。
会議後に議事録を共有して認識を合わせるのは基本です。
議事録に目を通す時間がない場合も想定し、会議の最後に必ず認識を合わせるようにしましょう。
また、残った課題や宿題などがあれば、その内容をメールなどで参加者に伝えておくことも重要です。
7:決まったことを実行する
良い意見やアイデアがあっても、実行されなければ意味がありません。
実行されないものが増えると、参加者はその会議に意味を感じなくなってしまう可能性があります。
編集会議を活性化させるためには、決まったことはすぐに実行するようにしましょう。
まとめ
社内報の編集会議を活性化させるためには、事前の情報共有や参加者同士の信頼関係が大切です。
事前の情報共有をすることで、参加者は会議に何を期待されているのか、どのような意見やアイデアを求められているかがわかり、積極的に参加しやすくなります。
また、意見の基盤となる知識などの共有も、参加者の意見をより有意義なものにすることにつながります。
さらに、参加者同士の信頼関係が築かれていると、発言を恐れず、自由に意見を交換することができます。
そのため、社内報担当者は、参加者同士の交流を促すような工夫も必要です。
編集会議が建設的な議論を促進する場所となれば、社内報担当のチームビルディングに良い影響が期待できます。
モチベーション向上や活気ある雰囲気は社内報にも表れます。
新しい情報をキャッチアップしながら読者である従業員に適切な情報を提供する視点を大切にしましょう。
今回ご紹介したポイントを参考にしてみてください。