「Well-being」なマインドで幸せな働き方が続く社会へ

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「働くことに幸せを感じていますか?」

こう聞かれたとき、迷いもなく"はい"と即答できる人は果たしてどれくらいいるのでしょうか?

もし社内アンケートで同じ質問をして、その回答で「いいえ」が圧倒的に多いとしたら......企業としては、赤信号に限りなく近い、黄色が点滅している油断ならない状態かもしれません。コロナ禍という未曾有の事態に直面し、日々の生活や働くことについて振り返り、そして見直す機会が増えました。Withコロナの現状では"ニューノーマルな働き方"という言葉もよく聞くようになりました。

気づいている方も多いと思いますが、実はこの動きは今に始まった流れではありません。と言うのも、ここ数年は"働くこと"について、企業も社員も考える機会が増えていました。今では多くの人が知る言葉となった"ワーク・ライフ・バランス"を筆頭に、政策として掲げている"働き方改革"。仕事と生き方に関する言葉が数年に渡り注目を集め、企業と社員の意識改革を促しています。

そしていま、スポットが当たっている言葉の1つが「Well-being(ウェルビーイング)」です。

ウェルビーイングとは

「ウェルビーイング」という言葉は、実は昔からあるものです。その出典は、奇しくもコロナ禍で耳目を集めた世界保健機関(WHO)が1948年に発効した憲章の一文でした。「健康」について、こう定義しています

"Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not
merely the absence of disease or infirmity."

出典:WHO

日本WHO協会訳でこう記されています。
「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態(Well-being)にあることをいいます。」

出典:日本WHO協会

「ウェルビーイング」とは「幸福」に近い意味の言葉で、心身と社会的に満たされた状態にあることを示す概念です。同じく幸福の意味を持つ言葉である「Happiness」が瞬間的に感じる幸福感を示すのとは異なり、ウェルビーイングは「持続的な」幸せを意味しているのが特徴です。
この"継続的に満たされた状態が続いていること"が広義のウェルビーイングと言われています。もともとは心理学や社会福祉の分野で用いられていた言葉ですが、近年ではビジネスや企業活動でも使われるようになりました。

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なぜ、ウェルビーイングが求められているのか?

なぜ今ビジネスや企業活動においてウェルビーイングにスポットが当たるようになったのでしょうか?それは国内における働き方改革の推進だけではなく、日本を含む海外諸国において価値観の変化や慢性的な人材不足の問題に起因していると言われています。世界規模で人口が減少している現状では、各国で働き手不足が懸念されています。企業は人材を確保する意味でも、社員が安心して働ける環境から整えていくことが必要だとされ、ウェルビーイングの概念が用いられるようになりました。

また、近年によく聞くようになった「ダイバーシティ(多様性)」もウェルビーイングにつながる考え方です。性別や人種、宗教やワークスタイルなどにとらわれず多様性を認め合う社会へ、という考え方はまさにウェルビーイング実現のために欠かすことができないものです。

他にも、"2030年までに持続可能でより良い世界を目指す"ための国際目標として掲げられている「SDGs(エスディージーズ)」の17項目の中に「すべての人に健康と福祉を」という項目が設けられている点からも、ウェルビーイングの概念が重要であると考えられています。

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    ウェルビーイングのメリットとは?

    企業がウェルビーイングを追求することでどのようなメリットがあるのでしょうか?ウェルビーイングの概念を取り入れることで主に4つのメリットがあると言われています。

    1. 健康経営の実現
      企業は社員の健康管理も経営の1つと捉え、労働環境の改善を促す「健康経営」が実現しやすくなります。健康経営とは経済産業省が推奨するもので、平成28年度には「健康経営優良法人認定制度」を設けました。社員の健康を管理し向上させることは企業活動の活力の根本を強化することでもあり、企業が負担する保険料の削減にも繋がります。

    2. 社員のモチベーションとエンゲージメントの向上
      身体的にも精神的にも健康な社員はモチベーションを高く保つことができ、余裕を持って働くことができます。その余裕は他者を思いやることにも繋がり、社内の人間関係が良好に変化するでしょう。良好な関係を築くことができると社員のエンゲージメントが高まり、愛社精神や帰属意識が高い組織づくりができるようになります。

    3. 生産性の向上
      心身ともに余裕を持って働くことができれば、仕事にやりがいが生まれモチベーションもアップします。仕事に対する熱意が高まることで、結果として企業全体の生産性の向上にも繋がります。

    4. 離職率低下と人材確保
      働きやすい環境を作ることで社員のエンゲージメントが高まり、離職率を低下させ人材の流出を防ぎます。また、積極的にウェルビーイングに取り組む企業は社外的なイメージも向上し、採用活動でも好影響を与えると考えられています。

    まとめ

    ウェルビーイングの概念は、企業にとっても、そこで働く社員にとっても、そして生きていくうえでも大切にすべき考え方です。かつてのように「プライベートもなく一心不乱に仕事をし、高い報酬を得ることこそが喜びである」というような働き方は、もはや旧式です。夢中になって打ち込める仕事や、報酬を得ることはもちろん変わらず大事なことですが、それが何かの犠牲のもとに成り立つのでは幸せだと言えない世の中に変わりつつあります。

    "持続可能でより良い世界を目指す"ために国内外で進んでいるウェルビーイングという考え方は、働き方を変えてくれるだけではなく、未来のために今できることの1つではないでしょうか?企業ができるウェルビーイングの一歩として、まずは現状で抱えている問題点を把握することが大事です。社員の声に耳を傾ける気持ちや現状を改善しようとする姿勢が、目には見えないウェルビーイングを"生き抜く企業"という形に変えていくのではないでしょうか。

    「働くことに幸せを感じていますか?」

    この問いかけがもはや意味を持たないほど、誰もが働くことや生きることを幸せだと感じられるウェルビーイングな社会が到来するのは近い未来かもしれません。

    プロモーションチーム 村上恵美

    筆者:プロモーションチーム ディレクター 村上恵美

    某音楽配信サイトのプロモーションチームに配属。サイト運営をしながら、主にアーティストのキャッチコピーなどライティング業務にも従事。ECサイトでは毎月100本の商品紹介文を作成し購買率の向上に貢献。2021年 「"はたらき"から、笑顔を」という会社のビジョンを熱く語る上司に魅了されスカイアークへ入社。SOLANOWAのシェア拡大に向け、Web、SNSなどのコンテンツ強化を中心に、プロモーション業務全般のディレクションを担当。

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