組織のパフォーマンス向上には、従業員同士の理解と高いエンゲージメントが欠かせません。
その鍵となるのが、自己紹介を通じて相互理解を深めることです。
社内報における自己紹介は、まさにそのための最適なツールだと言えるでしょう。
特に新入社員や中途採用者にとって、社内で認知を広げ、円滑なコミュニケーションを築くための重要な第一歩となります。
そして、社内報の自己紹介は、多くの社員に自分を知ってもらう絶好の機会です。
しかし、いざ自己紹介を書こうとすると、「何を伝えればいいのか」「どのように書けば印象に残るのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、社内報で効果的な自己紹介を作成するためのポイントや、具体的な例文などをまとめました。
目次
●社内報で自己紹介を掲載するメリット
・コミュニケーションの活性化につながる
・社内全体への周知ができる
・自分のことをアピールでき知ってもらう機会になる
・資産として社内に蓄積され振り返ることができる
●社内報の自己紹介に書く項目
・基本情報
・顔写真
・趣味や特技、性格
・入社理由
・仕事への意気込み・抱負
●社内報で自己紹介を書くときの3つのポイント
・親しみやすく読みやすい文体を意識する
・謙虚な姿勢を見せることを心がける
・自社の業種に合った自己紹介にする
●好まれる自己紹介文の一例と例文
・若手社員の場合
・拠点や店舗が多い企業
・ベンチャー企業やアパレル企業の場合
●まとめ
社内報で自己紹介を掲載するメリット
社内報は、従業員同士のコミュニケーションツールとして重要な役割を果たします。
その中で、自己紹介を掲載するメリットについて、次のような点があげられます。
・コミュニケーションの活性化につながる
自己紹介は、個人の経歴や趣味、性格を多くの人に知ってもらう絶好の機会であり、従業員同士の相互理解を深めるきっかけとなります。
趣味や特技、仕事への意気込みなどを共有することで、新たな共通点を見つけて普段交わらない部署の人とも交流を深めたり、仕事上のコラボレーションにつなげたりすることができます。
社内で対話が生まれることで、コミュニケーションを活性化することができるでしょう。
・社内全体への周知ができる
紙でもWebでも、社内報は基本的には全従業員に共有される情報です。
その社内報で自己紹介を掲載することで、多くの社員に自分の存在を認知してもらうことができます。
特に、新入社員や中途社員にとっては、円滑な人間関係を築くための第一歩となります。
・自分のことをアピールでき知ってもらう機会になる
社内報での自己紹介は、自身のスキルや経験、強みをアピールする場としても有効です。
全従業員に自分を知ってもらう絶好の機会であり、今後の仕事やコミュニケーションを円滑に進めるための重要な役割を果たします。
仕事への意欲やビジョンを明確にすることで、周囲からの期待を高め、活躍の場を広げる可能性も高くなります。
・資産として社内に蓄積され振り返ることができる
社内報に掲載された自己紹介は、社内の情報資産として蓄積されます。
紙の社内報では、過去の号をまとめてアーカイブでき、Web社内報ではバックナンバーを検索すればワンクリックでアクセスしいつでも読み返すことができます。
過去の自己紹介を振り返ることで、社員の成長や変化を感じ取ったり、人材配置や育成の参考資料として活用したりすることもできます。
数年後に当時の自己紹介を振り返ってみるのも、1つの企画にできるでしょう。
社内報の自己紹介に書く項目
社内報に掲載する自己紹介には、従業員の基本情報を書くだけではなく、その人の人となりがわかるような内容にすると効果的です。
具体的には、次のような項目が自己紹介の定番としてあげられます。
・基本情報
まずは基本情報はマストな項目です。
出身や部署など最低限共有しておくべき項目は入れておきましょう。
家族構成など、プライベートな事柄に関しては無理して書く必要はありません。
具体的な項目として
1:氏名や出身地
まず氏名を書きます。
フルネームで述べ、どう読むのか振り仮名もつけておくことをおすすめします。
呼ばれたいニックネームがあればそれも併せて記載すると個性が出やすいでしょう。
出身地も自己紹介に入れておくことで、出身が同じだったり近い人はもちろん、初対面での会話のきっかけになりやすいです。
2:配属先
自分が配属された部署やチーム名、担当業務を記載します。
3:経歴
新卒入社の場合は、出身大学や学部のほか、サークルや留学経験など、学生時代の取り組みを記載します。
中途採用の場合は、前職について簡単に記載しておきましょう。
その際は、どんな印象を持ってもらいたいのかを意識した上で記載すると人柄が伝わります。
・顔写真
自己紹介には顔写真を載せることをおすすめします。
紹介文から人柄を知ることができても、顔と名前が一致しなければ誰なのか分かりづらいからです。
特に入社したばかりの新入社員や中途社員であれば、いち早く顔と名前を覚えてもらうことも大事です。
なるべく写真を載せておくと良いでしょう。
・趣味や特技、性格
基本情報の次は、趣味や特技、性格といったパーソナルな情報を盛り込んで、個人の個性をアピールできるような項目を記載します。
人となりを知ってもらうことで、会話の糸口になり、コミュニケーションのきっかけが自然に生まれやすくなります。
もはや定番でもありますが、熱中しているものやマイブームなどがあれば、積極的に記載しましょう。
具体的な項目として
1:性格
自分の性格を分かりやすく伝えることで、自分の人柄を理解してもらうだけでなく、社内コミュニケーションのきっかけにつなげていきましょう。
例えば、単に「真面目です」と伝えるよりも、「高校時代は生徒会長をしていました」とエピソードを添えることで、より具体的なイメージを与えることができます。
さらに、「几帳面な性格で、計画的に物事を進めるのが得意です」と補足することで、性格がより分かりやすく伝わるでしょう。
2:趣味や特技
趣味や特技は、その人の個性をアピールするのに一番わかりやすい項目です。
「スポーツが好きです」と書くよりも、「ランニングと水泳が趣味で、週に3回は運動しています」と具体的に書き、好きなスポーツの種類や頻度などを明記することで、共通の趣味を持つ従業員との会話のきっかけが生まれやすくなります。
好きなジャンルを詳しく記載しておくことで、同じ趣味の社員が声を掛けてくれるかもしれません。
3:熱中しているもの、マイブーム
熱中しているもの、マイブームも、同じ趣向の従業員同士でコミュニケーションのきっかけにつながりやすいテーマです。
ハマっているドラマや映画、リピートしている商品や食べ物、よく出かける場所、よく聞いている音楽など、気になっている物事を書くと良いでしょう。
例えば「最近、韓国ドラマにハマっています」と書くだけでなく「特に、ロマンス系のドラマが好きで、週末は家で一気見するのが楽しみです」と具体的な内容を書き添えることで、興味のある従業員との交流が促進されます。
・入社理由
入社理由は、あなたの熱意と志望動機を伝える重要な項目です。
経営者をはじめ多くの従業員が注目するポイントであり、簡潔にでもしっかりと書き、あなたの熱意をアピールしましょう。
例えば「以前に〇〇のプロジェクトに参加した経験から、〇〇の事業に貢献したいと考えました」と具体的なエピソードを添えることで、説得力が増し、より伝わりやすくなります。
・仕事への意気込み・抱負
社内報の自己紹介の締めくくりで多いのが、仕事への意気込み・抱負です。
あなたの仕事への意気込みを伝える重要な場面でもあります。
単に「貢献したい」と書くよりも、具体的な目標やビジョンを語ることで、あなたの情熱と将来性をアピールすることができます。
社内報で自己紹介を書くときの3つのポイント
社内報は、全社員に自分を知ってもらう貴重な機会です。
しかし、多くの人にとって自己紹介は苦手意識があるものです。
ここでは、印象的で親しみやすい自己紹介を作成するための3つのポイントをまとめていきます。
親しみやすく読みやすい文体を意識する
社内報は、上司や同僚、部下や他部署の人など、同じ会社で働く全ての従業員に読まれるものでもあります。
親しみやすい文体や、誰にでも読みやすい構成を意識して書くようにしましょう。
専門用語や難しい言葉は避け、誰でも理解しやすい文章で書くことが大事です。
文体は敬語を基本としながらも、堅くなりすぎず、親しみやすさを感じさせる書き方がおすすめです。
感情を適度に織り交ぜつつ、社会人としての一般的な礼儀を欠くことがない内容にしましょう。
謙虚な姿勢を見せることを心がける
社内報は、幅広い年齢層、価値観を持つ社員が読むものです。
個性や特技をアピールする際は、若者向けの表現やマニアックなネタは控え、幅広い世代が共感できる内容を選びましょう。
また、抱負なども「1年以内に営業成績トップを取ります!」「最年少で役職昇進を目指します!」など、目標設定は具体的で構いませんが、過剰なアピールは控え、謙虚な姿勢を忘れないことが大切です。
傲慢な印象を与えないよう、感謝の気持ちを忘れずに書くようにしましょう。
自社の業種に合った自己紹介にする
会社の業種に合わせた内容を取り入れることで、より興味深く、魅力的な自己紹介文を作成することができます。
例えば、製造業であれば、愛用している自社の製品と理由を紹介することで、製品への理解度やこだわりをアピールできます。
クリエイティブ業界であれば、好きなクリエイターや作品を紹介することで感性や視点をアピールすることができます。
好まれる自己紹介文の一例と例文
ここでは、自己紹介文の例文とポイントを紹介し、個性を最大限に引き出す書き方を解説します。
若手社員の場合や、拠点や店舗が多い企業、べンチャーやアパレル系など、好まれる自己紹介の特徴を取り入れた例文を参考にしてみてください。
若手社員の場合
一般的な企業(大手・中小など)の場合は、新入社員としてフレッシュさをアピールすることがポイントです。
特に新卒者の場合、硬い表現よりもやる気や明るさを前面に出すことを心がけてみましょう。
同様に、中途入社者も新しい環境へのスタートとなるため、適応力や積極的な姿勢を見せることが効果的です。
(例文)
はじめまして、〇〇部 △△課の□□です。
趣味はバスケットと釣りで、休日はアクティブに過ごすのが好きです。もし、おすすめの〇〇スポットがあれば、是非教えてください!
学生時代は〇〇に力を入れていました。学んだことを活かし、新しい環境で多くのことを吸収しながら、早く戦力になれるよう努力します。
まだまだ未熟ですが、先輩社員の皆様から多くのことを学び、貴社に貢献できるよう精一杯頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
拠点や店舗が多い企業の場合
飲食業や小売業は、全国に複数の店舗が点在し、拠点が離れているため、従業員同士が直接会うことが難しい環境が特徴的です。
こうした飲食業や小売業の場合は、「○○店に立ち寄った時は〜」などの表現があると、声をかけやすくなります。
他にも、地元や拠点にまつわるネタも積極的に取り入れることもおすすめです。
拠点が離れているからこそ、興味を引く要素となるでしょう。
(例文)
はじめまして、〇月〇日付で○○店の店長に就任いたしました〇〇と申します。
○○県出身、根っからの阪神ファンです。前職はドライバーをしており、店舗での業務は未経験ではありますが、ドライバーで培った体力と、持ち前の明るさで地域No1の店舗を目指します!甘いもの大好きですので、○○店に寄られた際はぜひお声がけください。美味しい地元のスイーツが食べられるお店にご案内します。』
ベンチャー企業やアパレル企業の場合
ベンチャーやアパレルなど、個性が際立つ業種や企業では、個々の個性と親しみやすさを意識することがポイントです。
マナーを守りつつも、大胆な自己アピールをすることで従業員の印象に残りやすくなり、周囲からの好感度も高まるでしょう。
(例文)
はじめまして、〇〇部の〇〇です!是非、〇〇と呼んでください!
音楽が趣味で、暇さえあればライブに出没しています。
実は学生時代にバンドを組んでいたこともあり、根っからの音楽人間です。
社内でフェス部をつくりたいと思っていますので、少しでも興味のある方はお気軽にお声がけください!これからどうぞよろしくお願いいたします。
まとめ
社内報で自己紹介を掲載することは、コミュニケーションの活性化から始まり、社内全体への周知、自己アピールの機会提供、そして資産としての蓄積まで多くのメリットがあります。
効果的な自己紹介文を書くためには、親しみやすく読みやすい文体や謙虚な姿勢、自社の業種に合わせた内容などを意識しておくと良いでしょう。
また、自社のカルチャーに合わせた内容を意識することもポイントになります。
業界別の自己紹介文の書き方と例文をぜひ参考にしてみてください。
自己紹介文は、ただの記事ではなく、自社の情報資産でもあり、タレントマネジメントにも役立つものでもあります。
一人ひとりの個性、熱意、そして未来へのビジョンを伝え、従業員とのつながりを築き、企業と共に成長していくための第一歩として活用していきましょう。